詩のしらべ

友人の詩を、気ままに載せる場所。

東京ポートレイト

ハイウェイの電灯が並ぶ 夕焼けの雲の上 太陽の子どもみたいに ポツポツと浮ぶ 東京のマンションの窓も 夕焼け時になれば ちょっとした絵画のようで なんか許せるね

景色も見えぬ地下鐵で

景色も見えぬ地下鐵で ぼくはひとり川辺を歩く 山の上に、雲でできた鳥が 夕日を受けて輝きながら 斜め45度上に向かい その人文字で息をつく Sing like nobody is watching この電車もいつか赤みがかって 輝く夕日に染まる世界を 雲の鳥になり飛ぶんだろう D…

微熱青年

夢がさめる 風が吹くよ サイダーのつぶつぶしたかんじと ぼくらの笑顔はどこか似ている 生きてるって氣がする それをここで 終わらせたいんだ きれいに きれいに 宇宙みたいに なんちゃって 街が揺れる 月が笑う 今夜にも嘘がばれれば どんなにか楽だろう 暗…

ミソラソミレレソソラシラソソ

木の葉のまちの暮れ定め 吐息もかすめ山と石 あさき夢みし時よりめ 戀し悲しや遊び谷 夢別れ からたちの 道すがら 恥ずかしき夜 いやさうと思ふぞ 雨だれに いつぞの川の夕暮れに 誰が心には足の跡 息は枯れ 風泣きし 戻ることあたがわし夜 つくれると思ふぞ…

待ちぼうけ

肩にかかった荷物が重い 君が来ないと待ちぼうけ この大きすぎる東京で 溢れる人波に肩を押されて 止まる場所もなく 休む場所もなく 背中を丸めて君を待つ 誰かに話しかけられて それでもぼくは上の空 だけどもここは地下だから 上の空にも空がない 電車の鈍…

自由

自由は、最高だ。 どこまでも広がる草原を背に バイクに跨がって 何にも縛られず 何も縛らず ただ風を追いかけて 風を追いかけて どこまでも續く道を行くんだ。 代償もある。 努力すること。自律すること。 優しくあること。正しくあること。 生命力に満ち溢…

電機屋さん

電機屋さん、 色んなおうちを周って検査。 こどもの頃から電機が好きで、 家の機械を分解しては、 お母さんに叱られていた、 あの人が今は電機屋さん。 中學のときに感電してから、 いよいよ電機は触るまいなど、 決心したのも束の間に、 二日後からは音響装…

東京アルプス山脈

ところは東京アルプス山脈 大小の山がたちならび 人は麓をちょこちょこゆきます 昼から夜へ變わるころ 太陽は横になりますが ここ東京アルプス山脈では あんまり山が多いので その様子がよく見えません しかし穴場はいくつかあって 場所によってはほんの隙間…

ベイビー・ベイビー

こんなクソッタレな世界でも きっと誰かが恋をして キラキラした瞳(め)を輝かせ いつかは大事な思い出になる かけがえのない青春を 精一杯に歩んでいるなら ぼくは明日も頑張ろう 一生懸命ことばを書いて ピースマークの星のかけらを この宇宙(そら)にむけて…

詩人宣言

ぼくは詩を書いて 世の中の役に立ちたい ぼくと同じように 弱さにもがき 若さにもがき この世の理不尽に潰されそうになりながら 叫ばなければやりきれぬ人たち 行けども行けども 目の前の黒い闇に ほんの一点の光しか見えず その光すら今にも消えそうで 一生…

暖かい冬の日 君と公園にいると 雀がたくさん集まって ぼくらをちらちら横目で見るよ 君はそんなの氣にも留めずに 嬉しそうに写真を撮って へんな鼻唄歌っては 意味のないことずっと言ってる 「楽しいね」「あったかいね」って 君がそんなの言わずとも みん…

最終飛行

空氣の輕さにぼくは飛ぶ ドグマも思い込みも捨てて 欲望の鎖も錆びて ぼくは今ここで飛んでいる この眞っさらな空を一人で 胸いっぱいに空氣を吸いながら 🌰

硝子の星

サーカス小屋から1人抜け出て笑う 見つめる先は満天の星 いつかこの視線もビームになって 君のとこまで君のとこまで届くのか あのキラキラ輝く硝子の星に誘われて カチカチ当たって反射して君のとこまで行くのか その頃君はいくつになるのか まだ花に水をや…

夕空徒競走(レース)

白い絵の具をつけた穂先が キャンバスの上を駆け足で過ぎるように 雲が飛ぶ そのスピードは億千万の単位を掛けて パソコンなんてぶっちぎり 鳥はあとから追うのだが どうだ風には敵わない ましてや雲は風に押されて その風よりも速いんだ あ! 飛行機が来る …

プライドダンス

この世はクズだ、狂ってる。 ズルい奴らが、汚い奴らが、 卑怯な奴らがデカい顔して、 道の眞中(まんなか)を闊歩する。 正直者は殺された。 優しいあいつはもう死んだ。 最高にかっこよかったあいつは、 溶けた蝋みた顔をした、 チビの嘘つきに突き落とされ…

命の蝋燭

君は命を燃やしているのか 服を擦り抜け肌を突き刺す 冷たく鋭い風の中 君は命の蝋燭の 消えそうな火を燃やしているのか 愛する僕の友達よ どうかその火を消さずにおくれ 燃やし続ける命の光は この世の人の希望になるから 蝋燭を点すことすらできず 嵐の中…

ことば

爽やかな夏の詩を書けば 砂の匂いが眉間を撫でる 土は踏めずに空気も吸えず しかめっ面のこの部屋に サラサラヒュウッと風が吹く 頭はスッキリ胸はさっぱり 播かれる砂は手に張り付いて 青色が足にせまりくる このペン先から迸る 黒いインキは波間の白で こ…

窓の隙間に佇む雲は 16時(よじ)の光を浴びている 赤ともオレンジともつかぬ 輝く地球のブロードウェイを 黒いカラスが渡ってく 間違うこの惑星(ほし)のベストカットは 戀する乙女の頬の色 岡惚れはすぐに色褪せて 街の灯りが点りだす 雲は輝くことをやめ 太…

都市(まち)の冬

寒い 灰色のビルの隙間から 冷たい風はますます冷えて 指はすっかり凍ってしまった ようやくのことで我が家を見つけ ひとり座って外を見る 凍えた窓の涙にかかった 遥か光の一点が まるで誰かの瞳のようで 小さく震えてこの街を 一生懸命覗いてる 寒すぎるこ…