東京ポートレイト
ハイウェイの電灯が並ぶ
夕焼けの雲の上
太陽の子どもみたいに
ポツポツと浮ぶ
東京のマンションの窓も
夕焼け時になれば
ちょっとした絵画のようで
なんか許せるね
景色も見えぬ地下鐵で
景色も見えぬ地下鐵で
ぼくはひとり川辺を歩く
山の上に、雲でできた鳥が
夕日を受けて輝きながら
斜め45度上に向かい
その人文字で息をつく
Sing like nobody is watching
この電車もいつか赤みがかって
輝く夕日に染まる世界を
雲の鳥になり飛ぶんだろう
Dance like nobody is watching
いつもながら颯爽と
微熱青年
夢がさめる 風が吹くよ
サイダーのつぶつぶしたかんじと
ぼくらの笑顔はどこか似ている
生きてるって氣がする
それをここで 終わらせたいんだ
きれいに
きれいに
宇宙みたいに なんちゃって
街が揺れる 月が笑う
今夜にも嘘がばれれば
どんなにか楽だろう
暗い暗い吐き氣もやむだろう
ひとりきり今
時計の針を止めて
宇宙(そら)の鼓動すら止めて
微かな熱にふれた
ぼくは風邪 風邪
命の針を止めて
骨の軋みも止めて
微かな熱にふれた
ぼくは風邪 風邪
明日からぼくは抜け殻になるよ
かわいい君にも氣付かれずなるよ
やさしいあなたに
かわいいあなたに
氣付かれずにぼくは抜け殻になるよ
ミソラソミレレソソラシラソソ
木の葉のまちの暮れ定め
吐息もかすめ山と石
あさき夢みし時よりめ
戀し悲しや遊び谷
夢別れ からたちの
道すがら 恥ずかしき夜
いやさうと思ふぞ 雨だれに
いつぞの川の夕暮れに
誰が心には足の跡
息は枯れ 風泣きし
戻ることあたがわし夜
つくれると思ふぞ 石影に
この街は染まりませう
あなたの心に染まりませう
いつかまたかの日を 思いませう
※「戀」...恋の旧字体
待ちぼうけ
肩にかかった荷物が重い
君が来ないと待ちぼうけ
この大きすぎる東京で
溢れる人波に肩を押されて
止まる場所もなく
休む場所もなく
背中を丸めて君を待つ
誰かに話しかけられて
それでもぼくは上の空
だけどもここは地下だから
上の空にも空がない
電車の鈍い車輪の音が
耳の奥までガタガタ響く
君が来ないと待ちぼうけ
この大きすぎる東京で
肩をすくめて待ちぼうけ