詩のしらべ

友人の詩を、気ままに載せる場所。

東京アルプス山脈

ところは東京アルプス山脈

 

大小の山がたちならび

 

人は麓をちょこちょこゆきます

 

昼から夜へ變わるころ

 

太陽は横になりますが

 

ここ東京アルプス山脈では

 

あんまり山が多いので

 

その様子がよく見えません

 

しかし穴場はいくつかあって

 

場所によってはほんの隙間に

 

地球の自転が見えるんです

 

都会の山にも太陽が

 

百万年の昔のように

 

横になるのがわかるんです

 

ただひとつだけ残念なのは

 

山が自分で光っているので

 

コントラストが鈍ります

 

ぼくは不安になるんです

 

誰かの輝く光を照らす

 

精一杯の沈黙を

 

この都会(まち)で人は忘れたのかと

 

あの横たわる太陽を

 

優しく受けるles Alps(アルプス)のように

 

 

 

※變...変の旧字体

※les Alps...フランス語。アルプス。

 

 

ベイビー・ベイビー

こんなクソッタレな世界でも

 

きっと誰かが恋をして

 

キラキラした瞳(め)を輝かせ

 

いつかは大事な思い出になる

 

かけがえのない青春を

 

精一杯に歩んでいるなら

 

ぼくは明日も頑張ろう

 

一生懸命ことばを書いて

 

ピースマークの星のかけらを

 

この宇宙(そら)にむけてばらまこう

 

いつかそこにいる神様に

 

この素晴らしい世界を伝えるために

 

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以前、話題になっていた、

朝井リョウさんの『桐島、部活やめるってよ

読んでみました。

 

青春ですね。すごく。

 

この詩にも「青春」ってことばが出てきますが、

 

「青春」ってすごくきらきらしているけれど、

当の本人達にとっては、

決してきらきらしているだけのものでもなくて、

 

そこのリアルさがとてもうまく表現されている作品でした。

 

まだ読んだことのない人は是非読んでみてください。

 

🌰

 

 

 

 

詩人宣言

ぼくは詩を書いて

 

世の中の役に立ちたい

 

ぼくと同じように

 

弱さにもがき

 

若さにもがき

 

この世の理不尽に潰されそうになりながら

 

叫ばなければやりきれぬ人たち

 

行けども行けども

 

目の前の黒い闇に

 

ほんの一点の光しか見えず

 

その光すら今にも消えそうで

 

一生懸命それを守ろうと

 

泣きながら踏ん張る人たち

 

 

ぼくは詩を書いて

 

仲間がいることを知らせたい

 

冷たい風が吹き

 

矛盾の雨が降り続くこの世界で

 

それでも輝く人類の光に向かって

 

必死に歩もうとする仲間たちの

 

ぼくは言葉になりたい。

 

みんなの、役に立ちたい。

 

 

暖かい冬の日

 

君と公園にいると

 

雀がたくさん集まって

 

ぼくらをちらちら横目で見るよ

 

君はそんなの氣にも留めずに

 

嬉しそうに写真を撮って

 

へんな鼻唄歌っては

 

意味のないことずっと言ってる

 

「楽しいね」「あったかいね」って

 

 

君がそんなの言わずとも

 

みんなすっかり知ってるけども

 

いつか心が意味に疲れて

 

空を見るため顔を上げたら

 

言葉は全部光になって

 

宇宙(そら)の太陽になるんだな

 

 

いつかぼくらがひとりになって

 

打ち拉がれてここに来て

 

冬の寒さにベンチを探して

 

雀をちらっと横目に見たとき

 

それはきっと太陽になる

 

冷たい冬の空に射す

 

一番大事な太陽になる

 

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「雀」 原案

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たくさん集まった雀

 

🌰
 

 

 

硝子の星

サーカス小屋から1人抜け出て笑う

見つめる先は満天の星

いつかこの視線もビームになって

君のとこまで君のとこまで届くのか


あのキラキラ輝く硝子の星に誘われて

カチカチ当たって反射して君のとこまで行くのか

その頃君はいくつになるのか

まだ花に水をやれるのか

まだあの声で笑うのか

いつかの日のように戯けてるなら


どうかビームを君も送っておくれ

僕もそのうち硝子に変わって

少しだけでも近くなるからお願い今はそこにいて

 

君がまだここで 僕の隣で笑う

咲いたすみれに膝を屈めて意味もないのになぜか俯いて

「幸せだよ」って呟いた

他愛もない記憶の裏で

いつか心が意味に疲れて

空を見るため顔を上げたなら

 

言葉は全部光になって

冷たい冬の空に差し込むんだよ

右の頬にあたるそよ風が誰なのかって分かるんだよ

 

どうかビームを君も送っておくれ

僕もそのうち硝子に変わって

少しだけでも近くなるから

お願い今はそこにいて

もう少しだけ待ってて

 

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ブログでは初めての作詞投稿。

 

 

彼は、趣味で音楽をやっているので、

詩だけでなく、作詞も時々行います。

 

(彼のバンドは、

 ある学園祭のテーマソングにもなったことがあるのです、!)

 

 

初めてこの歌を聴いたときには

なぜか泣いてしまいました。

 

いつかこの歌を、

皆さんにも共有したいなと

密かに思ったりもしています。

 

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夕空徒競走(レース)

白い絵の具をつけた穂先が

 

キャンバスの上を駆け足で過ぎるように

 

雲が飛ぶ

 

そのスピードは億千万の単位を掛けて

 

パソコンなんてぶっちぎり

 

鳥はあとから追うのだが

 

どうだ風には敵わない

 

ましてや雲は風に押されて

 

その風よりも速いんだ

 

あ!

 

飛行機が来る

 

ぐんぐん来るぞ

 

さすがに速いぞ

 

雲を追い越し追い越され

 

彼方の夕日を一直線

 

けど雲は空を走り抜け

 

嘘のように消えた

 

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詩は、彼から原稿用紙で渡されます。

 

出来上がった詩は、原稿用紙。

制作途中の詩は、ノートに。

 

 

これは、

夕空徒競走の原稿用紙です。

 

 

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夕空徒競走

 

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